気ままに探訪記|コントラプンクトのタイポグラフィに出会う

こんにちは。♯こちら台東企画研究所のワム!です。

先日、ギンザ・グラフィック・ギャラリーで開催中(10月12日まで)のコントラプンクト社の企画展に行ってきました。

デンマークのデザイン会社、Kontrapunkt(コントラプンクト社)が手掛けたタイプ(書体)デザインの10のプロジェクトが紹介されています。


書体に対する見方を考え直し、日々意識せずに使っているタイプデザインを、違った目で見ることができるよう、タイプデザインを見直す機会になることを意図して企画された展示会です。

たいへん恥ずかしながら、この時初めて、コントラプンクトという社名を知りました。


私のような粗忽(そこつ)者にとっては、舌を噛みそうな単語(ドイツ語)ですが、もとは音楽用語のひとつとか。


ネット上の音楽用語辞典で調べると、

「対位法。点対点。広義で旋律と旋律との流動的な横の関係。またその体系的な作曲技法」

だそうです…。(分かります?)


より分かりやすく解釈すると、「複数の旋律をよく調和させる(全体を調和させる)」といった意味合いですかね。

念のため紹介すると、Kontrapunkt(コントラプンクト社)は1985年にデンマークに設立された北欧を代表するデザイン会社。政府機関、インフラ、NGO、文化団体、大企業の多数のブランディングを手掛けています。


2015年には日本法人も設立されました。


同社の設立者のひとりで、クリエイティブディレクター、建築家でもあるボー・リンネマンさんが企画展に言葉を寄せています。


「私たちにとって、タイプデザインは彫刻のように物語る一つの形であり、しかもそのストーリーはここで終わるのではありません」。

会場は、タイポグラフィのディスプレイを鑑賞するため、照明を落とした暗闇に包まれています。


エアコンが強めに設定してあるのか、少し肌寒いと感じるくらいの冷気と静けさが印象的な空間。


最初は分からず、少し戸惑いましたが、会場の床にボタンが設置されており、それを足で踏むことで、壁にタイポグラフィのデザインやイメージ画像、動画が表示される仕組みです。


ボタン脇には、「コンセプト」「使用例」「インスピレーション」「スポットライト」「書体見本」「その他」などの表記があります。

台上に設置されたキーボードをたたくことでディスプレイされるタイポグラフィもあります。


考えるよりも、感じ取ることを企図しているのかな、と途中思ったりしました。


コントラプンクト社が手掛けるタイポグラフィの魅力は、完全に理解できたり、直感的に感じ取れるものばかりとは言えませんでしたが、文字を効果的にデザインしようとする、最先端を試行錯誤する足跡のようなものを感じ取りました。


リンネマンさんが言わんとする「現在進行形のストーリー」といった印象がたしかにあります。

活版を用いた印刷術として始まったタイポグラフィには、今では大きくふたつの役割があると思います。


フォントの種類、サイズなどを調整し組み合わせて、文章の読みやすさ、美しさを追求することがひとつ。


そして、文字を使って芸術的(アート)な表現をすることがひとつです。


「可読性の向上(文字を読ませる)」と「デザイン性の追求(文字を見せる/魅せる)」ですね。


タイポグラフィを用いることで、相手に伝える情報量を効果的に高め、結果的により良く伝えることにつながります。


パソコンやスマホが日常的なアイテムとなって久しく、手書き文字を目にする機会が減少している状況などを考えると、こうしたタイポグラフィの重要性は、いまやデザインや印刷など特定領域にとどまらず、広く社会一般に認知されているのではないでしょうか。

そう考えると、コントラプンクト社の今後の活動に一段と興味が湧いてきます。


会場には、スマートフォンメーカーVivo(ビボ社)など中国企業のためにデザインした案件も展示されていたせいでしょうか、中国語を話す若いカップルの姿もありました。


(もっとも、会場まで向かう途中の、銀座の街を行き交う人々の多様性、多国籍ぶりのほうにこそ圧倒されました…。)


ちなみに、会場での写真および動画撮影は自由とのこと(ただし、フラッシュはNG)。

大きな展示会ではないですが、タイポグラフィの見方が変わる良いきっかけのひとつになりそうです。

ワム!

印刷物の制作ディレクターをしています。
埼玉生まれ。ツイッターでペット動画を見て癒されるという習慣を最近覚えました。フレブル、ボステリ好き。