「印刷の原点」を知る、触れる。活版印刷の世界

この秋、東京商工会台東支部のツアーで、文京区にある印刷博物館さんを見学させていただきました。

博物館の方にお伺いしたお話しでは、印刷博物館さんの開館は2000年10月。印刷関連の収蔵点数はおよそ7万点。活動のコンセプトは『印刷の過去、現在、未来をわかりやすく伝える』ということでした。一口に印刷の過去と言っても、日本だけではなく、西洋と東洋の印刷の起源から紹介していますから、壮大なスケールです。

館内施設は大きく分けて、印刷文化を多角的に紹介する総合展示ゾーン、今はキンダーブック90年の歴史を展示している企画展示ゾーン、活版印刷によるワークショップを行える印刷工房「印刷の家」、非常にハイクオリティなCG等を上映するVRシアターがあります。


そのうち今回は、地下1階、印刷工房「印刷の家」を紹介します。このエリアのテーマはズバリ“つくる”。
“つくる”って行為、皆さんやっぱりワクワクしますよね。


ガラス張りの部屋の中は、活版印刷の機械と活字がずらり。

印刷機に派手な装飾が施されたりしていますが、その部分が印刷の圧をつけるためのおもりになっているなど、機能面も兼ね備えているとのこと。こういう粋な考え方、現代では忘れられているかもしれないですね。


ちなみに活字とは、金属でできた柱状の頭(お尻?)に文字や記号が彫ってあり、活版印刷で印字するものです。


活字が入っている傾斜のついた棚が並んでいます。

ここに活字がびっしりと埋まっています。これは「馬棚」と呼ばれているそうで、ここから活字を拾う職人さんが、文選(原稿に従い順に棚から活字を拾って文選箱に納める)をしていきます。熟練の職人さんになると3秒間に1字拾うそうです。まさに神技‼︎文字にはゴシック体も明朝体もあるし、これが「ルビ」の活字になると拾うのも戻すのも大変!(◎_◎;)

さらにここから、活字を組み、印刷に至ることを考えると素人には気の長い工程です。でも、この鍛錬された技術が様々な伝達や感動を生み出してきたのでしょう。



実際の活版印刷の機械による栞への印字体験させていただきました。

活字がセットされた印刷機械に紙をセットして・・・
レバーを上げ下げし、版にインクをつけて・・・
レバーを下げてギュッと・・・栞になる紙に印字します。
仕上げに好きなリボンを選んで・・・
できました、できました。自分だけの栞です。
手作りならではの新鮮な喜びがあります。紙の手触りや、繊細な色を醸し出すインクの風合いは、やはりアナログな印刷ならではですよね。

どんどん世の中のデジタル化が進み、それはそれで世の中が便利になって良い事なんですが、一方で、大げさに言えばクラフトマンシップというのでしょうか、ものづくりへ精進する気持ちは色あせないものだと思います。手間はかかるけど、アナログの世界もまだまだ信じたいと思える一日でした。
関係者の皆様、ありがとうございました。

第一印刷所は2018年で創立75周年を迎えます。印刷の歴史からすればまだまだ遠く及ばない歴史ですが、ものづくりに携わる一員として、デジタルでもアナログでも、人が感動する良い製品を産み出していければと思います。


印刷博物館 施設情報

  • 所在地
    〒112-8531 東京都文京区水道1丁目3番3号 トッパン小石川ビル
  • 開館時間
    10時~18時(入場は17時30分まで)
  • 休館日
    毎週月曜日(ただし祝日の場合は翌日)
  • 入場料
    一般300円(250円)/学生:200円(150円)/中高生100円(50円)小学生以下無料
    ( )内は20名以上の団体料金
  • 公式サイト
    http://www.printing-museum.org/index.html